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   水蒸気蒸留法(Steam distillation) |
植物を蒸留器に入れ、熱と蒸気を使ってエッセンシャルオイルを抽出するもっとも伝統的な方法です。 植物を蒸すと、芳香成分を含んだオイルが蒸気となって気化します。その蒸気をパイプに集め冷却して液体に還元したもののうち、表面に浮かんだ芳香成分が精油(エッセンシャルオイル)です。残りの水はハイドロソルと呼ばれ、水溶性の芳香成分が含まれており非常に良い香りがするので、近年ではフローラルウォーターと呼ばれ、化粧水などに使われるようになりました。 水蒸気蒸留法によって抽出されたエッセンシャルオイルは、たとえまったく同じ植物から抽出されていても、その処理プロセス(温度、時間、圧力など)によって、質が大きく変わります。たとえば、蒸す温度が高すぎた場合は、処理中に有効成分が消散してしまい、質の低いオイルしか抽出されません。こういう意味から、この方法を使っているからといって、最高のオイルであるいう証明にはなりません。 因みにエッセンシャルオイルを1キロ採取するのに、ローズなら3500Kg〜4000Kg、ラベンダーなら花の部分だけで150Kgが必要になります。 |
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   溶剤抽出法(Solvent Extraction) |
ヘキサン、アセトン、石油ベンゼンなどの揮発性溶剤に植物を溶かしこみ、その後溶剤を揮発させて抽出する方法で、ローズ・アブソルートやジャスミンなどの抽出や、ベンゾインなどの樹脂を抽出するのに使われることの多い方法です。 この方法で抽出された成分は、正確には精油(エッセンシャルオイル)ではなく「アブソルート」と呼ばれます。また、フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラなどの樹脂性物質を抽出したものは「レジノイド」と呼ばれます。 水蒸気蒸留法に比べて処理時間が短くすむため、抽出法としては比較的安価です。アブソルートの質は、オイルの中にどれだけ残留物質が残っているかによって大きく変わってきます。 |
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   二酸化炭素抽出法(CO2 Extraction) |
超高圧の二酸化炭素を使ってエッセンスを抽出する比較的新しい方法です。 まず二酸化炭素に超高圧をかけて液化させ、そこでエッセンスを抽出します。それを常圧に戻すと、二酸化炭素は瞬時に気化するので、香気成分だけが残るという仕組みです。この方法だと、残留物は残らず、低温処理のためオイルが完全な形で残ります。 この方法は非常に高価ですが、化学物質を残さずに純粋な質の高いオイルを抽出することができます。また、蒸気蒸留法で抽出できない植物からも、溶剤を使わずに抽出することができるというメリットもあります。 |
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   圧搾法(Expeller pressed) |
オレンジやレモンなどの柑橘類の果実の皮を圧搾する方法で、この方法で得られたものは正確にはエッセンシャルオイルではなく「エッセンス」と呼ばれます。 この方法の良い点として、高温で熱したり溶剤を使わないため、化学変化が起きないということが挙げられますが、一方、熱を加えないため、他の方法で抽出されたオイルに比べると変質しやすいという特徴があります。 |
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   冷浸法(Enfluerage) |
かつてジャスミンやローズなど、水蒸気蒸留法が使えない花のエッセンスを抽出するのに使われていた方法で、現在はほとんど使われていません。ラードに花の香りを移した後、アルコールをまぜてエッセンスだけを分離させる方法です。 |
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   ハイドロデフューズ(Hydro difusion) |
水蒸気蒸留の一種。蒸気を上から下へ向けて送る方法で、パーコレーション法とも呼ばれます。この方法の長所は、使う蒸気の量を少なくすればするほど処理速度が向上し、多くのオイルが採取できるという点です。 |
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   乾留法(Dry Distillation) |
固体を空気を断って加熱することにより揮発成分を採りだす方法で、精油ではケードや樺などの木材に使われます。 |
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