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タバコのおはなし

2002年7月12日  「タバコのおはなし」

タバコの煙が苦手な私は、バンクーバーに来て心底「救われた!」と思いました。どこにいても、敢えて自分から近づかない限り、タバコの煙を浴びずにすむのです。レストラン、ショッピングセンター、学校、図書館…、タバコの存在にさえ気づかずに過ごせてしまうバンクーバーは、私にとってはまさにパラダイスです。

日本に住んでいたころは、社会生活をしている限り、完全にタバコの臭いを嗅がずに生活することは不可能でしたし、社会とはこういうものなのだと漠然と思っていました。しかし、ここバンクーバーでは、タバコの匂いを一切嗅がずに生活することが可能なのです。

日本では昔から喫煙率が高く(1966年の男性喫煙率は84%、2000年で53.5%)、喫煙はある意味文化だとも言えますが、現在ではWHOが勧告しているように、喫煙者の割合を減らすこと、少なくとも非喫煙者が煙を吸いこまない配慮をすることが、どの国でも重要な課題となってきています。しかし日本では、なかなかそれが実践されていないようです。日本もバンクーバーのようにタバコを1箱500円以上に値上げして、公共の建物をすべて禁煙にすれば良いのかもしれませんが、もちろんそう簡単にはゆきません。急な改革をして社会に大混乱を引き起こすより、地道に分煙を呼びかけたり、パッケージに「健康のため吸いすぎに注意しましょう」と書き加えるのが精一杯です(それでも私が子どもの頃は電車の中でタバコが吸えたのですから、かなり状況は良くなってきているのですが。)

その点、カナダ(BC州)はシンプルです。「タバコは健康に悪い。誰が何といおうと吸うべきではない」という確固たる姿勢ですべてに臨んでいます。たとえば、公共の建物内でタバコが禁止なのはもちろんのこと、テレビや雑誌など、いかなるメディアでもタバコの宣伝は禁止されています。

ティーンエイジャー向けポスター。「自由にダウンロードして、子供の目のつく場所に表示しておいてください」とのこと。クリックすると、大きい画像(400K)がダウンロードできるサイトに飛びますので、よろしければどうぞ (^^)。

上のポスターは、ティーンエイジャーに「タバコを吸ったらこうなるよ」という例を見せつけ、いかに喫煙が有害なのかを啓蒙するものです。喫煙者のタバコを吸い始める年齢が10代であるという統計から、ティーンエイジャーの不煙教育に力が入っているようです。

また、すでに喫煙者になってしまった人を禁煙させるための教育も行き渡っています。たとえば、タバコのパッケージには、上のようなポスターどころではない、もっとエグい写真が印刷されています。変色した肺の写真、脳の写真、年間どれだけの人がタバコで死んでいるかの統計資料などが「Tabacco can kill you」の文字と共に、パッケージを手にするたびに否応なく目に入ってくるようになっています

禁煙を訴えるテレビ広告も良く目にします。医者が亡くなった喫煙者の肺をシャーレに置いて、広げて見せ、健康な人の肺とどれだけ違うかを説明するといったグロテスクなものから、肺ガンで親を失った幼い子供が、今の心情を語る涙モノまで様々です。

この間はアメリカの有名なタバコ会社「フィリップ・モリス」のテレビ広告を見ました。ティーンエイジャーたちが次々に現れ「I don't smoke.(僕は吸わない)」を繰り返し、最後に「Think. Don't smoke.(考えろ。吸っちゃいけない。)」の大きな文字で締めくくられるものです。ティーンエイジャー向けとはいえ、タバコ会社が「Don't smoke」を繰り返すテレビコマーシャルを流すなど、日本ではあまり考えられないことでしょう。

こういった動きは、喫煙者の立場から見ると、いろいろ意見もあるでしょう。タバコ嫌いの私でさえも、洗脳にも近い「タバコ=癌」の宣伝は多少行き過ぎのような気もすることがあります。タバコを吸ったら必ず肺がんになるといった単純なものではないでしょうし、タバコにはそれなりのメリットもあると思うので、正しい知識のもとで、自分の責任においてタバコを吸うことは全然問題がないと思うのですが、いかんせん日本では、他人の状態おかまいなしに、普通に街を歩いているだけで煙を吸いこんでしまうようなシステムになっていることが問題なのです。そういう点で、タバコの煙が完全に隔離されているバンクーバーは私にとってパラダイスなのです(喫煙者にとっては地獄?)。

そういえば、日本で駅の喫煙コーナーを通るたびに思っていました。喫煙コーナーといっても、壁で隔離されていなければ意味がないのではないかと。それなら喫煙コーナーをガラス張りの喫煙ルームにして、部屋に入らなければタバコを吸えないという法律を作ったらいいのではないかと思うのです。空調設備などの維持費として、入る時に1回100円程度の入場料をとるのです。部屋から出るときは、消臭スプレーひと吹きのサービスがついています。いいアイデアだと思うのですが。どこか採用してくれませんか?

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