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花・花・花

2002年7月20日  「花・花・花」

私は花を見るのが大好きで、花を見ているといくらでも時間が過ぎていってしまいますが、この時期のバンクーバーは、まるで花を飾らなければならない法律があるかのごとく、街じゅう花で飾られるので、外出するのが楽しみになります。ビルの花壇や家の庭はもちろんのこと、アパートのベランダ、カフェの軒先、幹線道路の道路脇や、駐車場、信号脇のデッドスペース、あれ、こんなところにも花が植えてあるんだ、と驚くようなところにまで、いたるところに花が飾られます。また、雑草も負けじと花を咲かせます。こちらは場所を問わず、土のあるところならどこでも。雑草と言えども高山植物っぽい背の高い大きいものが多く、それが道路脇などに密生しているのを見るのは圧巻です。

家の近所に咲いている花たち。一番右以外はほぼ雑草。

色とりどりのハンギングを見るのも楽しみのひとつ。どれもこれも色取りや花の種類が違っており、作った人の個性が出ています。道路などの公共スペースにつるされるハンギングも、ひとつひとつ違っていて、これだけの量を誰がどうやって世話をしているのか不思議に思うくらいです。

冬は雨ばかりで暗いバンクーバーですが、4月5月になると、待ちに待った夏がきます。ガーデニング屋さんが花の苗を売り始め、本屋さんがガーデニング本のスペースを大きめにとり、スーパーの店頭にもいろとりどりの苗が並びはじめます。庭に敷き詰めるのか何十鉢単位で買ってゆく人も少なくありません。寄せ植えやハンギングは、花の種類や水遣りの頻度などから、ベストな組み合わせを選ぶのは難しいらしいのですが、花を選んでいる人たちは本当に楽しそうです。
左ふたつは幹線道路の道路脇のハンギング。青空に映えます。右端は店先にあった私より大きいハンギング。どんどん育ってます。

…などと書くと、私が生まれつきの花好きのように聞こえますが、実は私、日本にいるときは、花なんて全然興味がなかったのです。観葉植物は面倒なだけ。何度鉢植えを枯らしたことか。部屋に飾る花も、インテリア的感覚しかなかったように思います。もちろんガーデニングなんて論外でした。

それがどうしたことか、カナダに来てから、植物の見え方がまるっきり変わってきたのです。うまく表現できないのですが、植物も、私たちと同じレベルで「生きている」ということが感じ取れるようになったのです。人間には人間のエネルギーがあって、植物には植物のエネルギーがある。エネルギーの形は違っていても、同じ生き物なんだという感覚が湧いてきました。花を「キレイ」と思うより、「一緒にいることができて嬉しい」といった感じです。

どうしてこんな変化が出てきたのでしょうか。周りの人たちの自然や植物を愛する気持ちに影響を受けたのかもしれません。日本にいるときは心の余裕がなかったというのもあると思います。でも一番の理由は、ここでは植物は本当に生き生きとしていて、見ているだけで楽しいのです。

夏になると、一斉に草木が息づきはじめ、驚くくらいの速度で成長し、朝と夕方で目に見えて大きさが変わるほどです。数日外出しなかったら、通りの概観がまるっきり変わっていて驚くこともあります。昨日まで何の変化もなかったプランターに、朝突然花が咲いてびっくりすることもたびたびです。こうなると、じっと見ていたら目の前で大きくなるのが見えるような気がして、ついつい一日何回もプランターを覗きにいってしまいます。

バンクーバーの夏は、日が極端に長く、湿気もなく、雨も降りません。多分そういうことが影響して、植物にとって育ちやすい環境にあるのだと思いますが、特別なことを何もしなくても、勝手に育って、勝手に美しい花をつけてくれるのならば、バンクーバーの人たちがこれだけあちこちに花を植えようと思う気持ちも納得できます。

実は今日ベランダに出てみると、花が一輪咲いていました。どこで買ったかも覚えていない野草の種から出てきた名無しの草。それも去年の夏からまきっぱなしにしていたものです。ベランダに花があるというと聞こえはいいですが、実は肥料もやらず水もいつやったかわからない状態。こんな状態でも、放っておけばきれいな花が咲いてくれるなんて、バンクーバーはこの時期本当に花天国です。

バックに見える白い花も、名無しの雑草。とても良い香りがします。

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