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短い夏

2002年8月27日  「短い夏」

バンクーバーの夏は短く、夏らしい気候を楽しめるのは、6〜8月のほんの数ヶ月のみ。10月になると雨が多くなり、3月ごろまで毎日シトシト雨が降るにようなります。冬は日照時間が極端に減り毎日雨ばかりなので、バンクーバーはカナダでもっとも鬱病患者の多い街だとか。長らくバンクーバーで撮影が続けられていたテレビドラマ「X-File」も、主演の男優が「こんな鬱陶しい天気の街で働くのはもうイヤだ!」と言ったために、撮影場所をアメリカに移したというのは有名な話です。

夏以外は本当に暗いイメージのバンクーバーですが、夏が来ると街の印象が180度変わります。雨はほとんど降らず、カラッとしており、日も長く、いつまでも外に出ていたい気分です。面白いのが、いったん夏が来てしまうと、雨の季節の鬱陶しさをコロっと忘れてしまうこと。人々の服装も表情も明るくなり、まるで違う街に来たような気さえします。

必然的に、夏が来るとバンクーバーの人たちの関心は、この短い夏をどうやって楽しむかがメインになります。この時期を逃すと、半年以上雨の季節が続くのですから、気候が素晴らしいうちにアウトドアを楽しまない理由はありません。

ということで、6、7月ごろから、道路にはキャンピングカーでモーターボートを引いた車や、マウンテンバイクやカヌーをくくりつけた車がたくさん走るようになります。最初は「うわぁ、この人ボート持ってる!」などと驚いていたのですが、ちょっと見渡してみると、結構な割合でボートを引っ張っている車を見ます。特にここBC州の西海岸はキャンプ場が多く、山あり海あり湖ありで、言葉通り「ちょっとそこまで」行くだけで、キャンプでも、カヌーでも、何でも楽しめる場所が豊富にあるのです。スーパーにはバーベキュー用品が、ホームセンターではキャンプ用品が、ガソリンスタンドでは薪や飲料水が山積みになって売られ、キャンピングカーのレンタルもあちこちに見られるようになります。キャンプは車とテントさえあれば手軽に誰でも楽しめるので、もっともポピュラーな夏の楽しみのようです。

Deep Cove. 私のお気に入りの「ボーッとする場所」のひとつ。夏はカヌーレンタルがあります。

キャンプとまでは行かなくても、こちらの人たちは夏は仕事が終わってからでも、海辺でバーベキューを楽しんだり、友人とビーチバレーをしたり、日光浴をしたりと、生活の基本が外に向きます。たとえば、夕食を外で食べる人が多くなります。といっても、庭やアパートのベランダにバーベキューコンロを置いてそこで焼いて食べるだけなのですが、雨が降る季節には絶対できないことなので、夏の間は室内で食べたことがないという人もいるくらいです。また夜10時過ぎまで明るいので、夕食後の腹ごなしに散歩をしたりテニスを楽しんだりすることもできます。

またカナダ人は日光浴が大好きで、雨の降っていた分の日光を取り戻すかのごとく、どこでもかしこでも日光が浴びられるところならば所構わず日光浴モードに入ります。街中を男性が上半身裸で歩く程度なら普通ですが、アパート前の芝生でビキニ姿で寝転ぶお姉ちゃん(目の前に車がびゅんびゅん走っていてもおかまいなし)や、バス停でバスを待っている間におもむろに上半身裸になって寝転んで日光浴をはじめるお兄ちゃんなどもあちこちで見られるようになります。

日本にいる時、仕事帰りはもう真っ暗で、することといえば友達と居酒屋に行くくらいだった私の生活は何だったんだろう?と思わざるを得ないのですが、もともと残業という概念すらないこの国。彼らにとってメインは仕事ではなく、生活を楽しむことなのでしょう(夏は特に!)。余談ですが、会社や店などに、週末や終業時間間際に用を頼むと、ぞんざいに扱われたり忘れられる可能性が非常に高いです。ですから重要なことを頼むなら必ず早い時間、それも月曜日や火曜日あたりにしておくのが無難です。

夕方のビーチに出ると、ダンスをしているグループ、ビーチバレーをするグループ、子供をランニング用バギーに乗せてジョギングする男性、犬の散歩をするカップル、ウォークマンをしながら風を切ってローラーブレードをしてゆく初老の男性、バーベキューで夕食を楽しむ家族…、みんな思い思いに外での生活を楽しんでいます。その人たちに混じって、ミネラルウォーターと本を片手にビーチに出て寝転ぶだけで、その日に起こったイヤなことも、どうでも良いことに思えてくるから不思議です。

本格的にアウトドアを楽しむ術も知らない私ですが、これだけ気候が良いと、やることがなくても、とりあえず外に出ないわけにはいきません。室内にいることに罪悪感を感じたりさえします。私がいつも行く場所は決まっているのですが、この間は少し気分を変えて、町の中心部から30〜40分ほど車を走らせたところにあるホーシューベイという所にフラリと行ってきたので、少しご紹介します。

Horse Shoe Bayの公園入口付近。所々にネイティブインディアンのアートが飾られています(後ろに少しだけ見えるのはトーテムポ−ル、手前はカエル?の植木鉢)
入り江になってて波が静か。何時間でも座っていれそう。

ここはフェリーの発着所ということもあって、残り少ない夏を島で楽しもうとする観光客も多く、比較的込み合っていましたが、なぜか騒がしい子供も騒いでいるグループもおらず、町なかは不思議と静かです。

港には自家用ボートがたくさん停泊しています。夏だけあって、運ばれてきたばかりのピカピカのボートもたくさん並んでいます。停泊所を歩いてみると、「これ浮くの?」と思えるようないかにも手作りのブリキの船から、一体いくらするんだろう?と思えるようなゴージャスなボートまでいろいろあって、見ているだけで楽しめます。

海を眺めていると、アザラシが顔を出しました。

夕方になってくると、仕事を終えた後なのか、飲み物片手にボートで沖に出て行く人が増えてきます。真っ赤に日焼けした体をものともせず、風をきって沖に出て行く人達を見ていると、この人たちに「過労死」を説明しても絶対にわかってもらえないだろうなぁ、なんて思います。

ボート停泊所はこんな感じ。レンタルボートもあります。
ボートハウス。結構大きいです。夏の間はキャンピングカー感覚でボートで生活する人も。

ここの夏の生活で一番楽しいのは、こうやって外に出ているだけで、幸せな気持ちになれること。たとえキャンピングカーやボートを持っていなくても、海を見て、風を感じて、芝生に寝転がるだけで、お金持ちも貧乏人も関係なく、同じだけ自然を楽しめてしまいます。また、こうやって海や山を見ていると、自然と不満という感情がなくなってしまうのが不思議です。この不思議な満足感は何なのでしょう。自然こそ究極の癒しなのかもしれません。

8月も終わりに近づき、アウトドアを楽しめる時期も残り少なくなってきました。昨日スーパーに行くと、ガーデニング用品やバーベキュー用品が80%OFFになっているのを見て、「とうとう夏が終わったか…」と少々名残惜しい気分ですが、バーゲン品になったアウトドア用品を買いながら、来年の夏はこれで楽しもう!と計画するのも、また楽しいものです。

ああ、早く来年の夏が来ないかなぁ(気が早すぎる?)。

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