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日本が登場する(古めの)映画

2004年7月25日  「日本が登場する(古めの)映画」

昨年(2003年)は「キルビル」「ロスト・イン・トランスレーション」「ラスト・サムライ」と立て続けに日本関連のハリウッド映画が公開されました。最近になって一般アメリカ人にも日本が身近になってきたということでしょうか。今回は、日本が題材となっている少し古めの映画をご紹介しようと思います。

毎週新しい映画が公開されている中で、その数に対して日本を題材にした映画の数はそれほど多くありませんが、地味なB級コメディなどを含めれば結構あります。ただヒットしたものとなると数は多くなく、有名どころではショーン・コネリーの「You Only Live Twice (007は二度死ぬ)(1966)」(イギリス映画)が日本を舞台にしていること、三船敏郎出演の「SHOGUN(1980)」などがあります。これらは時代が古いこともあり内容も日本に対する誤解も多く、つっこみすぎるとページがなくなるので置いておいて、時代を少しすすめて1980年代後半からいくつか紹介しようと思います。

まず、日本バッシングだと日系人団体から上映反対の抗議運動が起こり物議をかもしたショーン・コネリー主演の「Rising Sun(ライジング・サン)(1993)」。これは「勘違い映画」として悪名高く、アメリカ人があまり深く考えずに、いっちょ日本を題材にしてミステリー書いてみよっか…と思いつきで作った映画のような印象です(真実は知りませんが)。ストーリーは、日系企業のパーティーで起こった殺人事件を日本通の刑事が解決するという、ごく普通のアクションミステリーで、映画自体は楽しめます。ただ日本人から見ると、日本通という設定のショーンコネリーの言動が日本人として腑に落ちない場面も多々あり、でも、もしかしたら自称日本通のアメリカ人は本当にこんな部屋に住んでいてこんな風に日本に関するウンチクを語っていそうな気もしてして、笑っていいのか怒っていいのかわかりにくい映画です(笑)。実はその勘違いぶりも下手な日本語も、単なるB級映画なら問題なく見逃してしまえる程度なのですが、大俳優ショーン・コネリーを配して大々的に全米で封切りされた映画だけに、アメリカに住んでいる日本人に対してもう少し配慮があっても良かったのになぁと思います。単なる娯楽映画として笑える自信のある方はどうぞ。

次に、松田優作・高倉健出演で有名になった、マイケル・ダグラス主演の「Black Rain ブラック・レイン(1989)」。これはキャストのほとんどが日本人ということもあり、変な日本語を聞くこともなく、半分日本映画のような気持ちで見れる映画です。見慣れた大阪の町(←私にとっては)も登場し、アクション映画としてもまとまりがあり良い映画だとは思いますが、数あるアクション映画の中で日本のジャパニーズ・マフィア(ヤクザ)を「異文化」として強調するためか、日本刀、暴走族、指詰めシーンなどを出して、日本を「理解しがたく残忍な国」として描いているのが、それがアクション映画の意図とはいえ、善良な日本人の私としては少し残念でもあります。しかしそのミステリアスな日本イメージの描写が功を奏してか映画としても評価が高く、ハリウッドスターに負けない故松田優作さんの迫力のある演技を観るだけでも価値はあるように思います。

次に少しマイナーですが、日本を描いたコメディで私がお気に入りなのが「Mr. Baseball(ミスター・ベースボール)(1992)」。これは、アメリカ人野球選手が中日ドラゴンズに入団し、日本人と摩擦を繰り返しながら成長してゆくというコメディですが、これにも日本側に高倉健が出演しており、渋い野球監督を演じています。日本の描写も、新聞の見出しが変なローマ字だったり(多分アメリカ人に読ませるための意図だとは思いますが)ところどころおかしいところはあるのですが、ロケが日本で行われたこともあり、日本人の私が見ても違和感を覚える点はほとんどありません。逆に、日本に来たばかりのアメリカ人が和式トイレに戸惑ったり、アメリカ式ジョークに総スカンを食ったりと、異文化にショックを受けながら順応してゆこうとするプロセスが、海外で暮らす自分の経験と重なり、納得したり大笑いしたり個人的には大いに楽しめた映画です。典型的な個人主義のアメリカ人が、最後には日本のやり方に馴染みチームプレイヤーになるという、実際に有り得るかどうかわからない結末のせいか(?)アメリカではそれほどヒットしなかったようですが、人の良さそうなあの主人公(トム・セレック)ならそういうことも有りえるかな?と思わせます。楽しく笑いたいときにおすすめの一本。

そして日本関連のB級(C級?)コメディで外せないのが、「Gun Ho(ガン・ホー/突撃!ニッポン株式会社)」。「アポロ13」「バックドラフト」「コクーン」などで有名なロン・ハワード監督の日米カルチャーギャップを描いたコメディで、アメリカでは後にテレビシリーズまでできたほど大ヒットした映画だそうですが、日本では劇場公開されていません。舞台はアメリカの小さな町。町唯一の自動車工場がクローズされ、住民全員失業状態。この状況を改善しようと、主人公(マイケル・キートン)が日本の自動車メーカー「アッサン」の工場を招致したのは良いものの、いざ稼動してみると、日本的な完璧主義を押し付ける工場側と、仕事は楽しみながらやるものだというアメリカ人労働者が真っ向から対立し、間に挟まれ苦労するというストーリー。飛行機のタラップのカーペットで靴を脱いだり、ふんどし姿で川で沐浴するなど、日本人を小馬鹿にしているのでは?と思わせる場面も多々あるのですが、対比するアメリカ人の単純さや、プライドだけは高くて無責任な姿もしっかり描いているので、おあいことまでは言わないですが、エンディングまで見ると、多少の変なところは水に流そう…と思えてしまいます。この映画の良い点は、日本人の良いところも悪いところも、アメリカ人の良いところも悪いところも、同じくらいの割合で描き、同じくらい笑えるところ。日本人役にほとんど日本人がおらず(唯一、故山村聰氏が登場)日本語のセリフがほとんど何を言っているのかわからないことから、最初から日本人に見てもらう意図が無かったのだと思われますが、その割には結構的を得た日本を描いています。片言の日本語に最初はイライラしますが、後味の良い映画なので、あまり真剣に怒らず、時間がある時にでも是非見てください。つけたしですが、この映画に出てくる若い日本人主任役の俳優は、後ほど人気ドラマ「ER」に日本人看護士として出演し人気を博したそうです。

そして最後になりましたが、私の大のお気に入り映画が、「Samurai Cowboy(ワイルド・ハート/遥かなる荒野へ)(1993)」。これはカナダ製作の映画です。プロデューサーはアメリカ在住の日本人、主演は郷ひろみ、日本では残念ながら劇場公開はされていないようですが、当時VHSが出ていたようです。ストーリーは、日本人ビジネスマン郷ひろみが、友人の過労死をきっかけに小さい頃からのカウボーイになる夢をかなえるため単身アメリカにやってくるというもので、最初は典型的な日本人ビジネスマンだった主人公が、持ち前の真面目さと誠実さでカウボーイとなり、悪い奴らをやっつけるという、笑いあり感動あり「正義は勝つ」タイプの爽やかな映画です。現代アメリカで失われてしまったカウボーイ精神と、日本のサムライスピリットが重ねあわされ、真面目な日本人がヒーローとして描かれています。カー・チェイスやバイオレンスなど、スケールだけが大きい娯楽アクション映画が主流の北米映画の中で、大人から子供まで誰もが楽しめるほのぼのコメディ。単純ですが、私はこの映画を見てから郷ひろみの評価が急上昇してしまいました。この映画はアメリカのモンタナ州という設定ですが、実際にロケが行われたのはカナダのアルバータ州。数年前に訪れたことがあるのですが、その美しさに1日の滞在の予定を3日にも延ばしてしまったほどです。自然の美しさも堪能できるこの映画、これも機会があったら是非是非見てください。

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